ヨハネの福音書
18章
25,さて、シモン・ペテロは立ったまま暖まっていた。すると、人々は彼に「あなたもあの人の弟子ではないだろうね」と言った。ペテロは否定して、「弟子ではない」と言った。
26,大祭司のしもべの一人で、ペテロに耳を切り落とされた人の親類が言った。「あなたが園であの人と一緒にいるのを見たと思うが。」
27,ペテロは再び否定した。すると、すぐに鶏が鳴いた。
28,さて、彼らはイエスをカヤパのもとから総督官邸に連れて行った。明け方のことであった。彼らは、過越の食事が食べられるようにするため、汚れを避けようとして、官邸の中には入らなかった。
29,それで、ピラトは外に出て、彼らのところに来て言った。「この人に対して何を告発するのか。」
30,彼らは答えた。「この人が悪いことをしていなければ、あなたに引き渡したりはしません。」
31,そこで、ピラトは言った。「おまえたちがこの人を引き取り、自分たちの律法にしたがってさばくがよい。」ユダヤ人たちは言った。「私たちはだれも死刑にすることが許されていません。」
32,これは、イエスがどのような死に方をするかを示して言われたことばが、成就するためであった。
33,そこで、ピラトは再び総督官邸に入り、イエスを呼んで言った。「あなたはユダヤ人の王なのか。」
34,イエスは答えられた。「あなたは、そのことを自分で言っているのですか。それともわたしのことを、ほかの人々があなたに話したのですか。」
35,ピラトは答えた。「私はユダヤ人なのか。あなたの同胞と祭司長たちが、あなたを私に引き渡したのだ。あなたは何をしたのか。」
36,イエスは答えられた。「わたしの国はこの世のものではありません。もしこの世のものであったら、わたしのしもべたちが、わたしをユダヤ人に渡さないように戦ったでしょう。しかし、事実、わたしの国はこの世のものではありません。」
37,そこで、ピラトはイエスに言った。「それでは、あなたは王なのか。」イエスは答えられた。「わたしが王であることは、あなたの言うとおりです。わたしは、真理について証しするために生まれ、そのために世に来ました。真理に属する者はみな、わたしの声に聞き従います。」
38,ピラトはイエスに言った。「真理とは何なのか。」こう言ってから、再びユダヤ人たちのところに出て行って、彼らに言った。「私はあの人に何の罪も認めない。
39,過越の祭りでは、だれか一人をおまえたちのために釈放する慣わしがある。おまえたちは、ユダヤ人の王を釈放することを望むか。」
40,すると、彼らは再び大声をあげて、「その人ではなく、バラバを」と言った。バラバは強盗であった。
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