2018年7月31日火曜日

ヘブル6

ヘブル人への手紙
6章
1,ですから私たちは、キリストについての初歩の教えを後にして、成熟を目指して進もうではありませんか。死んだ行いからの回心、神に対する信仰、
2,きよめの洗いについての教えと手を置く儀式、死者の復活と永遠のさばきなど、基礎的なことをもう一度やり直したりしないようにしましょう。
3,神が許されるなら、先に進みましょう。
4,一度光に照らされ、天からの賜物を味わい、聖霊にあずかる者となって、
5,神のすばらしいみことばと、来たるべき世の力を味わったうえで、
6,堕落してしまうなら、そういう人たちをもう一度悔い改めに立ち返らせることはできません。彼らは、自分で神の子をもう一度十字架にかけて、さらしものにする者たちだからです。
7,たびたび降り注ぐ雨を吸い込んで、耕す人たちに有用な作物を生じる土地は、神の祝福にあずかりますが、
8,茨やあざみを生えさせる土地は無用で、やがてのろわれ、最後は焼かれてしまうのです。
9,だが、愛する者たち。私たちはこのように言ってはいますが、あなたがたについては、もっと良いこと、救いにつながることを確信しています。
10,神は不公平な方ではありませんから、あなたがたの働きや愛を忘れたりなさいません。あなたがたは、これまで聖徒たちに仕え、今も仕えることによって、神の御名のために愛を示しました。
11,私たちが切望するのは、あなたがた一人ひとりが同じ熱心さを示して、最後まで私たちの希望について十分な確信を持ち続け、
12,その結果、怠け者とならずに、信仰と忍耐によって約束のものを受け継ぐ人たちに倣う者となることです。
13,神は、アブラハムに約束する際、ご自分より大いなるものにかけて誓うことができなかったので、ご自分にかけて誓い、
14,「確かにわたしは、あなたを大いに祝福し、あなたを大いに増やす」と言われました。
15,このようにして、アブラハムは忍耐の末に約束のものを得たのです。
16,確かに、人間は自分より大いなるものにかけて誓います。そして、誓いはすべての論争を終わらせる保証となります。
17,そこで神は、約束の相続者たちに、ご自分の計画が変わらないことをさらにはっきり示そうと思い、誓いをもって保証されました。
18,それは、前に置かれている希望を捕らえようとして逃れて来た私たちが、約束と誓いという変わらない二つのものによって、力強い励ましを受けるためです。その二つについて、神が偽ることはあり得ません。
19,私たちが持っているこの希望は、安全で確かな、たましいの錨のようなものであり、また幕の内側にまで入って行くものです。
20,イエスは、私たちのために先駆けとしてそこに入り、メルキゼデクの例に倣って、とこしえに大祭司となられたのです。

2018年7月30日月曜日

ヘブル5

ヘブル人への手紙
5章
1,大祭司はみな、人々の中から選ばれ、人々のために神に仕えるように、すなわち、ささげ物といけにえを罪のために献げるように、任命されています。
2,大祭司は自分自身も弱さを身にまとっているので、無知で迷っている人々に優しく接することができます。
3,また、その弱さのゆえに、民のためだけでなく、自分のためにも、罪のゆえにささげ物を献げなければなりません。
4,また、この栄誉は自分で得るのではなく、アロンがそうであったように、神に召されて受けるのです。
5,同様にキリストも、大祭司となる栄誉を自分で得たのではなく、「あなたはわたしの子。わたしが今日、あなたを生んだ」と語りかけた方が、それをお与えになったのです。
6,別の箇所でも、「あなたは、メルキゼデクの例に倣い、とこしえに祭司である」と言っておられるとおりです。
7,キリストは、肉体をもって生きている間、自分を死から救い出すことができる方に向かって、大きな叫び声と涙をもって祈りと願いをささげ、その敬虔のゆえに聞き入れられました。
8,キリストは御子であられるのに、お受けになった様々な苦しみによって従順を学び、
9,完全な者とされ、ご自分に従うすべての人にとって永遠の救いの源となり、
10,メルキゼデクの例に倣い、神によって大祭司と呼ばれました。
11,このメルキゼデクについて、私たちには話すことがたくさんありますが、説き明かすことは困難です。あなたがたが、聞くことに対して鈍くなっているからです。
12,あなたがたは、年数からすれば教師になっていなければならないにもかかわらず、神が告げたことばの初歩を、もう一度だれかに教えてもらう必要があります。あなたがたは固い食物ではなく、乳が必要になっています。
13,乳を飲んでいる者はみな、義の教えに通じてはいません。幼子なのです。
14,固い食物は、善と悪を見分ける感覚を経験によって訓練された大人のものです。

2018年7月29日日曜日

ヘブル4

ヘブル人への手紙
4章
1,こういうわけで、私たちは恐れる心を持とうではありませんか。神の安息に入るための約束がまだ残っているのに、あなたがたのうちのだれかが、そこに入れなかったということのないようにしましょう。
2,というのも、私たちにも良い知らせが伝えられていて、あの人たちと同じなのです。けれども彼らには、聞いたみことばが益となりませんでした。みことばが、聞いた人たちに信仰によって結びつけられなかったからです。
3,信じた私たちは安息に入るのですが、「わたしは怒りをもって誓った。『彼らは決して、わたしの安息に入れない』」と神が言われたとおりなのです。もっとも、世界の基が据えられたときから、みわざはすでに成し遂げられています。
4,なぜなら、神は第七日について、あるところで「そして神は、第七日に、すべてのわざを終えて休まれた」と言われ、
5,そのうえで、この箇所で、「彼らは決して、わたしの安息に入れない」と言われたからです。
6,ですから、その安息に入る人々がまだ残っていて、また、以前に良い知らせを聞いた人々が不従順のゆえに入れなかったので、
7,神は再び、ある日を「今日」と定め、長い年月の後、前に言われたのと同じように、ダビデを通して、「今日、もし御声を聞くなら、あなたがたの心を頑なにしてはならない」と語られたのです。
8,もしヨシュアが彼らに安息を与えたのであれば、神はその後に別の日のことを話されることはなかったでしょう。
9,したがって、安息日の休みは、神の民のためにまだ残されています。
10,神の安息に入る人は、神がご自分のわざを休まれたように、自分のわざを休むのです。
11,ですから、だれも、あの不従順の悪い例に倣って落伍しないように、この安息に入るように努めようではありませんか。
12,神のことばは生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、関節と骨髄を分けるまでに刺し貫き、心の思いやはかりごとを見分けることができます。
13,神の御前にあらわでない被造物はありません。神の目にはすべてが裸であり、さらけ出されています。この神に対して、私たちは申し開きをするのです。
14,さて、私たちには、もろもろの天を通られた、神の子イエスという偉大な大祭司がおられるのですから、信仰の告白を堅く保とうではありませんか。
15,私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯しませんでしたが、すべての点において、私たちと同じように試みにあわれたのです。
16,ですから私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、折にかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。

2018年7月28日土曜日

ヘブル3

ヘブル人への手紙
3章
1,ですから、天の召しにあずかっている聖なる兄弟たち。私たちが告白する、使徒であり大祭司であるイエスのことを考えなさい。
2,モーセが神の家全体の中で忠実であったのと同様に、イエスはご自分を立てた方に対して忠実でした。
3,家よりも、家を建てる人が大いなる栄誉を持つのと同じように、イエスはモーセよりも大いなる栄光を受けるにふさわしいとされました。
4,家はそれぞれだれかが建てるのですが、すべてのものを造られたのは神です。
5,モーセは、後に語られることを証しするために、神の家全体の中でしもべとして忠実でした。
6,しかしキリストは、御子として神の家を治めることに忠実でした。そして、私たちが神の家です。もし確信と、希望による誇りを持ち続けさえすれば、そうなのです。
7,ですから、聖霊が言われるとおりです。「今日、もし御声を聞くなら、
8,あなたがたの心を頑なにしてはならない。荒野での試みの日に神に逆らったときのように。
9,あなたがたの先祖はそこでわたしを試み、わたしを試し、四十年の間、わたしのわざを見た。
10,だから、わたしはその世代に憤って言った。『彼らは常に心が迷っている。彼らはわたしの道を知らない。』
11,わたしは怒りをもって誓った。『彼らは決して、わたしの安息に入れない。』」
12,兄弟たち。あなたがたのうちに、不信仰な悪い心になって、生ける神から離れる者がないように気をつけなさい。
13,「今日」と言われている間、日々互いに励まし合って、だれも罪に惑わされて頑なにならないようにしなさい。
14,私たちはキリストにあずかる者となっているのです。もし最初の確信を終わりまでしっかり保ちさえすれば、です。
15,「今日、もし御声を聞くなら、あなたがたの心を頑なにしてはならない。神に逆らったときのように」と言われているとおりです。
16,では、聞いていながら反抗したのは、だれでしたか。モーセに率いられてエジプトを出た、すべての者たちではありませんか。
17,神が四十年の間、憤っておられたのは、だれに対してですか。罪を犯して、荒野に屍をさらした者たちに対してではありませんか。
18,また、神がご自分の安息に入らせないと誓われたのは、だれに対してですか。ほかでもない、従わなかった者たちに対してではありませんか。
19,このように、彼らが安息に入れなかったのは、不信仰のためであったことが分かります。

2018年7月27日金曜日

ヘブル2

ヘブル人への手紙
2章
1,こういうわけで、私たちは聞いたことを、ますますしっかりと心に留め、押し流されないようにしなければなりません。
2,御使いたちを通して語られたみことばに効力があり、すべての違反と不従順が当然の処罰を受けたのなら、
3,こんなにすばらしい救いをないがしろにした場合、私たちはどうして処罰を逃れることができるでしょう。この救いは、初めに主によって語られ、それを聞いた人たちが確かなものとして私たちに示したものです。
4,そのうえ神も、しるしと不思議と様々な力あるわざにより、また、みこころにしたがって聖霊が分け与えてくださる賜物によって、救いを証ししてくださいました。
5,というのも、神は、私たちが語っている来たるべき世を、御使いたちに従わせたのではないからです。
6,ある箇所で、ある人がこう証ししています。「人とは何ものなのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とはいったい何ものなのでしょう。あなたがこれを顧みてくださるとは。
7,あなたは、人を御使いよりわずかの間低いものとし、これに栄光と誉れの冠をかぶらせ、
8,万物を彼の足の下に置かれました。」神は、万物を人の下に置かれたとき、彼に従わないものを何も残されませんでした。それなのに、今なお私たちは、すべてのものが人の下に置かれているのを見てはいません。
9,ただ、御使いよりもわずかの間低くされた方、すなわちイエスのことは見ています。イエスは死の苦しみのゆえに、栄光と誉れの冠を受けられました。その死は、神の恵みによって、すべての人のために味わわれたものです。
10,多くの子たちを栄光に導くために、彼らの救いの創始者を多くの苦しみを通して完全な者とされたのは、万物の存在の目的であり、また原因でもある神に、ふさわしいことであったのです。
11,聖とする方も、聖とされる者たちも、みな一人の方から出ています。それゆえ、イエスは彼らを兄弟と呼ぶことを恥とせずに、こう言われます。
12,「わたしは、あなたの御名を兄弟たちに語り告げ、会衆の中であなたを賛美しよう。」
13,また、「わたしはこの方に信頼を置く」と言い、さらに、「見よ。わたしと、神がわたしに下さった子たち」と言われます。
14,そういうわけで、子たちがみな血と肉を持っているので、イエスもまた同じように、それらのものをお持ちになりました。それは、死の力を持つ者、すなわち、悪魔をご自分の死によって滅ぼし、
15,死の恐怖によって一生涯奴隷としてつながれていた人々を解放するためでした。
16,当然ながら、イエスは御使いたちを助け出すのではなく、アブラハムの子孫を助け出してくださるのです。
17,したがって、神に関わる事柄について、あわれみ深い、忠実な大祭司となるために、イエスはすべての点で兄弟たちと同じようにならなければなりませんでした。それで民の罪の宥めがなされたのです。
18,イエスは、自ら試みを受けて苦しまれたからこそ、試みられている者たちを助けることができるのです。

2018年7月26日木曜日

ヘブル1

ヘブル人への手紙
1章
1,神は昔、預言者たちによって、多くの部分に分け、多くの方法で先祖たちに語られましたが、
2,この終わりの時には、御子にあって私たちに語られました。神は御子を万物の相続者と定め、御子によって世界を造られました。
3,御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現れであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。御子は罪のきよめを成し遂げ、いと高き所で、大いなる方の右の座に着かれました。
4,御子が受け継いだ御名は、御使いたちの名よりもすばらしく、それだけ御使いよりもすぐれた方となられました。
5,神はいったい、どの御使いに向かって言われたでしょうか。「あなたはわたしの子。わたしが今日、あなたを生んだ」と。またさらに、「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる」と。
6,そのうえ、この長子をこの世界に送られたとき、神はこう言われました。「神のすべての御使いよ、彼にひれ伏せ。」
7,また、御使いについては、「神は御使いたちを風とし、仕える者たちを燃える炎とされる」と言われましたが、
8,御子については、こう言われました。「神よ。あなたの王座は世々限りなく、あなたの王国の杖は公正の杖。
9,あなたは義を愛し、不法を憎む。それゆえ、神よ、あなたの神は、喜びの油で、あなたに油を注がれた。あなたに並ぶだれよりも多く。」
10,またこう言われました。「主よ。あなたははじめに地の基を据えられました。天も、あなたの御手のわざです。
11,これらのものは滅びます。しかし、あなたはいつまでもながらえられます。すべてのものは、衣のようにすり切れます。
12,あなたがそれらを外套のように巻き上げると、それらは衣のように取り替えられてしまいます。しかし、あなたは変わることがなく、あなたの年は尽きることがありません。」
13,いったいどの御使いに向かって、神はこう言われたでしょうか。「あなたは、わたしの右の座に着いていなさい。わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまで」と。
14,御使いはみな、奉仕する霊であって、救いを受け継ぐことになる人々に仕えるために遣わされているのではありませんか。

2018年7月25日水曜日

コロサイ4

コロサイ人への手紙
4章
1,主人たちよ。あなたがたは、自分たちも天に主人を持つ者だと知っているのですから、奴隷に対して正義と公平を示しなさい。
2,たゆみなく祈りなさい。感謝をもって祈りつつ、目を覚ましていなさい。
3,同時に、私たちのためにも祈ってください。神がみことばのために門を開いてくださって、私たちがキリストの奥義を語れるように祈ってください。この奥義のために、私は牢につながれています。
4,また、私がこの奥義を、語るべき語り方で明らかに示すことができるように、祈ってください。
5,外部の人たちに対しては、機会を十分に活かし、知恵をもって行動しなさい。
6,あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味の効いたものであるようにしなさい。そうすれば、一人ひとりにどのように答えたらよいかが分かります。
7,私の様子はすべて、愛する兄弟、忠実な奉仕者、主にある同労のしもべであるティキコが、あなたがたに知らせます。
8,ティキコをあなたがたのもとに遣わすのは、ほかでもなく、あなたがたが私たちの様子を知って、心に励ましを受けるためです。
9,また彼は、あなたがたの仲間の一人で、忠実な、愛する兄弟オネシモと一緒に行きます。この二人がこちらの様子をすべて知らせます。
10,私とともに囚人となっているアリスタルコと、バルナバのいとこであるマルコが、あなたがたによろしくと言っています。このマルコについては、もし彼があなたがたのところに行ったら迎え入れるように、という指示をあなたがたはすでに受けています。
11,ユストと呼ばれるイエスも、よろしくと言っています。割礼のある人では、この三人だけが神の国のために働く私の同労者です。彼らは私にとって慰めになりました。
12,あなたがたの仲間の一人、キリスト・イエスのしもべエパフラスが、あなたがたによろしくと言っています。彼はいつも、あなたがたが神のみこころのすべてを確信し、成熟した者として堅く立つことができるように、あなたがたのために祈りに励んでいます。
13,私はエパフラスのために証言します。彼はあなたがたのため、またラオディキアとヒエラポリスにいる人々のため、たいへん苦労しています。
14,愛する医者のルカ、それにデマスが、あなたがたによろしくと言っています。
15,どうか、ラオディキアの兄弟たちに、またニンパと彼女の家にある教会に、よろしく伝えてください。
16,この手紙があなたがたのところで読まれたら、ラオディキア人の教会でも読まれるようにしてください。あなたがたも、ラオディキアから回って来る手紙を読んでください。
17,アルキポに、「主にあって受けた務めを、注意してよく果たすように」と言ってください。
18,私パウロが自分の手であいさつを記します。私が牢につながれていることを覚えていてください。どうか、恵みがあなたがたとともにありますように。

2018年7月24日火曜日

コロサイ3

コロサイ人への手紙
3章
1,こういうわけで、あなたがたはキリストとともによみがえらされたのなら、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。
2,上にあるものを思いなさい。地にあるものを思ってはなりません。
3,あなたがたはすでに死んでいて、あなたがたのいのちは、キリストとともに神のうちに隠されているのです。
4,あなたがたのいのちであるキリストが現れると、そのときあなたがたも、キリストとともに栄光のうちに現れます。
5,ですから、地にあるからだの部分、すなわち、淫らな行い、汚れ、情欲、悪い欲、そして貪欲を殺してしまいなさい。貪欲は偶像礼拝です。
6,これらのために、神の怒りが不従順の子らの上に下ります。
7,あなたがたも以前は、そのようなものの中に生き、そのような歩みをしていました。
8,しかし今は、これらすべてを、すなわち、怒り、憤り、悪意、ののしり、あなたがたの口から出る恥ずべきことばを捨てなさい。
9,互いに偽りを言ってはいけません。あなたがたは古い人をその行いとともに脱ぎ捨てて、
10,新しい人を着たのです。新しい人は、それを造られた方のかたちにしたがって新しくされ続け、真の知識に至ります。
11,そこには、ギリシア人もユダヤ人もなく、割礼のある者もない者も、未開の人も、スキタイ人も、奴隷も自由人もありません。キリストがすべてであり、すべてのうちにおられるのです。
12,ですから、あなたがたは神に選ばれた者、聖なる者、愛されている者として、深い慈愛の心、親切、謙遜、柔和、寛容を着なさい。
13,互いに忍耐し合い、だれかがほかの人に不満を抱いたとしても、互いに赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたもそうしなさい。
14,そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は結びの帯として完全です。
15,キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。そのために、あなたがたも召されて一つのからだとなったのです。また、感謝の心を持つ人になりなさい。
16,キリストのことばが、あなたがたのうちに豊かに住むようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、忠告し合い、詩と賛美と霊の歌により、感謝をもって心から神に向かって歌いなさい。
17,ことばであれ行いであれ、何かをするときには、主イエスによって父なる神に感謝し、すべてを主イエスの名において行いなさい。
18,妻たちよ。主にある者にふさわしく、夫に従いなさい。
19,夫たちよ、妻を愛しなさい。妻に対して辛く当たってはいけません。
20,子どもたちよ、すべてのことについて両親に従いなさい。それは主に喜ばれることなのです。
21,父たちよ、子どもたちを苛立たせてはいけません。その子たちが意欲を失わないようにするためです。
22,奴隷たちよ、すべてのことについて地上の主人に従いなさい。人のご機嫌取りのような、うわべだけの仕え方ではなく、主を恐れつつ、真心から従いなさい。
23,何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から行いなさい。
24,あなたがたは、主から報いとして御国を受け継ぐことを知っています。あなたがたは主キリストに仕えているのです。
25,不正を行う者は、自分が行った不正を報いとして受け取ることになります。不公平な扱いはありません。

2018年7月23日月曜日

コロサイ2

コロサイ人への手紙
2章
1,私が、あなたがたやラオディキアの人たちのために、そのほか私と直接顔を合わせたことがない人たちのために、どんなに苦闘しているか、知ってほしいと思います。
2,私が苦闘しているのは、この人たちが愛のうちに結び合わされて心に励ましを受け、さらに、理解することで豊かな全き確信に達し、神の奥義であるキリストを知るようになるためです。
3,このキリストのうちに、知恵と知識の宝がすべて隠されています。
4,私がこう言うのは、まことしやかな議論によって、だれもあなたがたを惑わすことのないようにするためです。
5,私は肉体においては離れていても、霊においてはあなたがたとともにいて、あなたがたの秩序と、キリストに対する堅い信仰を見て喜んでいます。
6,このように、あなたがたは主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストにあって歩みなさい。
7,キリストのうちに根ざし、建てられ、教えられたとおり信仰を堅くし、あふれるばかりに感謝しなさい。
8,あの空しいだましごとの哲学によって、だれかの捕らわれの身にならないように、注意しなさい。それは人間の言い伝えによるもの、この世のもろもろの霊によるものであり、キリストによるものではありません。
9,キリストのうちにこそ、神の満ち満ちたご性質が形をとって宿っています。
10,あなたがたは、キリストにあって満たされているのです。キリストはすべての支配と権威のかしらです。
11,キリストにあって、あなたがたは人の手によらない割礼を受けました。肉のからだを脱ぎ捨てて、キリストの割礼を受けたのです。
12,バプテスマにおいて、あなたがたはキリストとともに葬られ、また、キリストとともによみがえらされたのです。キリストを死者の中からよみがえらせた神の力を信じたからです。
13,背きのうちにあり、また肉の割礼がなく、死んだ者であったあなたがたを、神はキリストとともに生かしてくださいました。私たちのすべての背きを赦し、
14,私たちに不利な、様々な規定で私たちを責め立てている債務証書を無効にし、それを十字架に釘付けにして取り除いてくださいました。
15,そして、様々な支配と権威の武装を解除し、それらをキリストの凱旋の行列に捕虜として加えて、さらしものにされました。
16,こういうわけですから、食べ物と飲み物について、あるいは祭りや新月や安息日のことで、だれかがあなたがたを批判することがあってはなりません。
17,これらは、来たるべきものの影であって、本体はキリストにあります。
18,自己卑下や御使い礼拝を喜んでいる者が、あなたがたを断罪することがあってはなりません。彼らは自分が見た幻に拠り頼み、肉の思いによっていたずらに思い上がって、
19,かしらにしっかり結びつくことをしません。このかしらがもとになって、からだ全体は節々と筋によって支えられ、つなぎ合わされ、神に育てられて成長していくのです。
20,もしあなたがたがキリストとともに死んで、この世のもろもろの霊から離れたのなら、どうして、まだこの世に生きているかのように、
21,「つかむな、味わうな、さわるな」といった定めに縛られるのですか。
22,これらはすべて、使ったら消滅するものについての定めで、人間の戒めや教えによるものです。
23,これらの定めは、人間の好き勝手な礼拝、自己卑下、肉体の苦行のゆえに知恵のあることのように見えますが、何の価値もなく、肉を満足させるだけです。

2018年7月22日日曜日

コロサイ1

コロサイ人への手紙
1章
1,神のみこころによるキリスト・イエスの使徒パウロと、兄弟テモテから、
2,コロサイにいる聖徒たち、キリストにある忠実な兄弟たちへ。私たちの父なる神から、恵みと平安があなたがたにありますように。
3,私たちは、あなたがたのことを祈るときにいつも、私たちの主イエス・キリストの父なる神に感謝しています。
4,キリスト・イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対してあなたがたが抱いている愛について聞いたからです。
5,それらは、あなたがたのために天に蓄えられている望みに基づくもので、あなたがたはこの望みのことを、あなたがたに届いた福音の真理のことばによって聞きました。
6,この福音は、あなたがたが神の恵みを聞いて本当に理解したとき以来、世界中で起こっているように、あなたがたの間でも実を結び成長しています。
7,そういうものとして、あなたがたは私たちの同労のしもべ、愛するエパフラスから福音を学びました。彼は、あなたがたのためにキリストに忠実に仕える者であり、
8,御霊によるあなたがたの愛を、私たちに知らせてくれた人です。
9,こういうわけで、私たちもそのことを聞いた日から、絶えずあなたがたのために祈り求めています。どうか、あなたがたが、あらゆる霊的な知恵と理解力によって、神のみこころについての知識に満たされますように。
10,また、主にふさわしく歩み、あらゆる点で主に喜ばれ、あらゆる良いわざのうちに実を結び、神を知ることにおいて成長しますように。
11,神の栄光の支配により、あらゆる力をもって強くされ、どんなことにも忍耐し、寛容でいられますように。
12,また、光の中にある、聖徒の相続分にあずかる資格をあなたがたに与えてくださった御父に、喜びをもって感謝をささげることができますように。
13,御父は、私たちを暗闇の力から救い出して、愛する御子のご支配の中に移してくださいました。
14,この御子にあって、私たちは、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。
15,御子は、見えない神のかたちであり、すべての造られたものより先に生まれた方です。
16,なぜなら、天と地にあるすべてのものは、見えるものも見えないものも、王座であれ主権であれ、支配であれ権威であれ、御子にあって造られたからです。万物は御子によって造られ、御子のために造られました。
17,御子は万物に先立って存在し、万物は御子にあって成り立っています。
18,また、御子はそのからだである教会のかしらです。御子は初めであり、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、すべてのことにおいて第一の者となられました。
19,なぜなら神は、ご自分の満ち満ちたものをすべて御子のうちに宿らせ、
20,その十字架の血によって平和をもたらし、御子によって、御子のために万物を和解させること、すなわち、地にあるものも天にあるものも、御子によって和解させることを良しとしてくださったからです。
21,あなたがたも、かつては神から離れ、敵意を抱き、悪い行いの中にありましたが、
22,今は、神が御子の肉のからだにおいて、その死によって、あなたがたをご自分と和解させてくださいました。あなたがたを聖なる者、傷のない者、責められるところのない者として御前に立たせるためです。
23,ただし、あなたがたは信仰に土台を据え、堅く立ち、聞いている福音の望みから外れることなく、信仰にとどまらなければなりません。この福音は、天の下のすべての造られたものに宣べ伝えられており、私パウロはそれに仕える者となりました。
24,今、私は、あなたがたのために受ける苦しみを喜びとしています。私は、キリストのからだ、すなわち教会のために、自分の身をもって、キリストの苦しみの欠けたところを満たしているのです。
25,私は神から委ねられた務めにしたがって、教会に仕える者となりました。あなたがたに神のことばを、
26,すなわち、世々の昔から多くの世代にわたって隠されてきて、今は神の聖徒たちに明らかにされた奥義を、余すところなく伝えるためです。
27,この奥義が異邦人の間でどれほど栄光に富んだものであるか、神は聖徒たちに知らせたいと思われました。この奥義とは、あなたがたの中におられるキリスト、栄光の望みのことです。
28,私たちはこのキリストを宣べ伝え、あらゆる知恵をもって、すべての人を諭し、すべての人を教えています。すべての人を、キリストにあって成熟した者として立たせるためです。
29,このために、私は自分のうちに力強く働くキリストの力によって、労苦しながら奮闘しています。

2018年7月21日土曜日

ピリピ4

ピリピ人への手紙
4章
1,ですから、私の愛し慕う兄弟たち、私の喜び、冠よ。このように主にあって堅く立ってください。愛する者たち。
2,ユウオディアに勧め、シンティケに勧めます。あなたがたは、主にあって同じ思いになってください。
3,そうです、真の協力者よ、あなたにもお願いします。彼女たちを助けてあげてください。この人たちは、いのちの書に名が記されているクレメンスやそのほかの私の同労者たちとともに、福音のために私と一緒に戦ったのです。
4,いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。
5,あなたがたの寛容な心が、すべての人に知られるようにしなさい。主は近いのです。
6,何も思い煩わないで、あらゆる場合に、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。
7,そうすれば、すべての理解を超えた神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。
8,最後に、兄弟たち。すべて真実なこと、すべて尊ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて清いこと、すべて愛すべきこと、すべて評判の良いことに、また、何か徳とされることや称賛に値することがあれば、そのようなことに心を留めなさい。
9,あなたがたが私から学んだこと、受けたこと、聞いたこと、見たことを行いなさい。そうすれば、平和の神があなたがたとともにいてくださいます。
10,私を案じてくれるあなたがたの心が、今ついによみがえってきたことを、私は主にあって大いに喜んでいます。あなたがたは案じてくれていたのですが、それを示す機会がなかったのです。
11,乏しいからこう言うのではありません。私は、どんな境遇にあっても満足することを学びました。
12,私は、貧しくあることも知っており、富むことも知っています。満ち足りることにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。
13,私を強くしてくださる方によって、私はどんなことでもできるのです。
14,それにしても、あなたがたは、よく私と苦難を分け合ってくれました。
15,ピリピの人たち。あなたがたも知っているとおり、福音を伝え始めたころ、私がマケドニアを出たときに、物をやり取りして私の働きに関わってくれた教会はあなたがただけで、ほかにはありませんでした。
16,テサロニケにいたときでさえ、あなたがたは私の必要のために、一度ならず二度までも物を送ってくれました。
17,私は贈り物を求めているのではありません。私が求めているのは、あなたがたの霊的な口座に加えられていく実なのです。
18,私はすべての物を受けて、満ちあふれています。エパフロディトからあなたがたの贈り物を受け取って、満ち足りています。それは芳ばしい香りであって、神が喜んで受けてくださるささげ物です。
19,また、私の神は、キリスト・イエスの栄光のうちにあるご自分の豊かさにしたがって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます。
20,私たちの父である神に、栄光が世々限りなくありますように。アーメン。
21,キリスト・イエスにある聖徒の一人ひとりに、よろしく伝えてください。私と一緒にいる兄弟たちが、あなたがたによろしくと言っています。
22,すべての聖徒たち、特にカエサルの家に属する人たちが、よろしくと言っています。
23,主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊とともにありますように。

2018年7月20日金曜日

ピリピ3

ピリピ人への手紙
3章
1,最後に、私の兄弟たち、主にあって喜びなさい。私は、また同じことをいくつか書きますが、これは私にとって面倒なことではなく、あなたがたの安全のためにもなります。
2,犬どもに気をつけなさい。悪い働き人たちに気をつけなさい。肉体だけの割礼の者に気をつけなさい。
3,神の御霊によって礼拝し、キリスト・イエスを誇り、肉に頼らない私たちこそ、割礼の者なのです。
4,ただし、私には、肉においても頼れるところがあります。ほかのだれかが肉に頼れると思うなら、私はそれ以上です。
5,私は生まれて八日目に割礼を受け、イスラエル民族、ベニヤミン部族の出身、ヘブル人の中のヘブル人、律法についてはパリサイ人、
6,その熱心については教会を迫害したほどであり、律法による義については非難されるところがない者でした。
7,しかし私は、自分にとって得であったこのようなすべてのものを、キリストのゆえに損と思うようになりました。
8,それどころか、私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、私はすべてを損と思っています。私はキリストのゆえにすべてを失いましたが、それらはちりあくただと考えています。それは、私がキリストを得て、
9,キリストにある者と認められるようになるためです。私は律法による自分の義ではなく、キリストを信じることによる義、すなわち、信仰に基づいて神から与えられる義を持つのです。
10,私は、キリストとその復活の力を知り、キリストの苦難にもあずかって、キリストの死と同じ状態になり、
11,何とかして死者の中からの復活に達したいのです。
12,私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕らえようとして追求しているのです。そして、それを得るようにと、キリスト・イエスが私を捕らえてくださったのです。
13,兄弟たち。私は、自分がすでに捕らえたなどと考えてはいません。ただ一つのこと、すなわち、うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、
14,キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。
15,ですから、大人である人はみな、このように考えましょう。もしも、あなたがたが何か違う考え方をしているなら、そのことも神があなたがたに明らかにしてくださいます。
16,ただし、私たちは到達したところを基準にして進むべきです。
17,兄弟たち。私に倣う者となってください。また、あなたがたと同じように私たちを手本として歩んでいる人たちに、目を留めてください。
18,というのは、私はたびたびあなたがたに言ってきたし、今も涙ながらに言うのですが、多くの人がキリストの十字架の敵として歩んでいるからです。
19,その人たちの最後は滅びです。彼らは欲望を神とし、恥ずべきものを栄光として、地上のことだけを考える者たちです。
20,しかし、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、私たちは待ち望んでいます。
21,キリストは、万物をご自分に従わせることさえできる御力によって、私たちの卑しいからだを、ご自分の栄光に輝くからだと同じ姿に変えてくださいます。

2018年7月19日木曜日

ピリピ2

ピリピ人への手紙
2章
1,ですから、キリストにあって励ましがあり、愛の慰めがあり、御霊の交わりがあり、愛情とあわれみがあるなら、
2,あなたがたは同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、思いを一つにして、私の喜びを満たしてください。
3,何事も利己的な思いや虚栄からするのではなく、へりくだって、互いに人を自分よりすぐれた者と思いなさい。
4,それぞれ、自分のことだけでなく、ほかの人のことも顧みなさい。
5,キリスト・イエスのうちにあるこの思いを、あなたがたの間でも抱きなさい。
6,キリストは、神の御姿であられるのに、神としてのあり方を捨てられないとは考えず、
7,ご自分を空しくして、しもべの姿をとり、人間と同じようになられました。人としての姿をもって現れ、
8,自らを低くして、死にまで、それも十字架の死にまで従われました。
9,それゆえ神は、この方を高く上げて、すべての名にまさる名を与えられました。
10,それは、イエスの名によって、天にあるもの、地にあるもの、地の下にあるもののすべてが膝をかがめ、
11,すべての舌が「イエス・キリストは主です」と告白して、父なる神に栄光を帰するためです。
12,こういうわけですから、愛する者たち、あなたがたがいつも従順であったように、私がともにいるときだけでなく、私がいない今はなおさら従順になり、恐れおののいて自分の救いを達成するよう努めなさい。
13,神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださる方です。
14,すべてのことを、不平を言わずに、疑わずに行いなさい。
15,それは、あなたがたが、非難されるところのない純真な者となり、また、曲がった邪悪な世代のただ中にあって傷のない神の子どもとなり、
16,いのちのことばをしっかり握り、彼らの間で世の光として輝くためです。そうすれば、私は自分の努力したことが無駄ではなく、労苦したことも無駄でなかったことを、キリストの日に誇ることができます。
17,たとえ私が、あなたがたの信仰の礼拝といういけにえに添えられる、注ぎのささげ物となっても、私は喜びます。あなたがたすべてとともに喜びます。
18,同じように、あなたがたも喜んでください。私とともに喜んでください。
19,私は早くテモテをあなたがたのところに送りたいと、主イエスにあって望んでいます。あなたがたのことを知って、励ましを受けるためです。
20,テモテのように私と同じ心になって、真実にあなたがたのことを心配している者は、だれもいません。
21,みな自分自身のことを求めていて、イエス・キリストのことを求めてはいません。
22,しかし、テモテが適任であることは、あなたがたが知っています。子が父に仕えるように、テモテは私とともに福音のために奉仕してきました。
23,ですから、私のことがどうなるのか分かり次第、すぐに彼を送りたいと望んでいます。
24,また、私自身も近いうちに行けると、主にあって確信しています。
25,私は、私の兄弟、同労者、戦友であり、あなたがたの使者で、私の必要に仕えてくれたエパフロディトを、あなたがたのところに送り返す必要があると考えました。
26,彼はあなたがたみなを慕っており、自分が病気になったことがあなたがたに伝わったことを、気にしているからです。
27,本当に、彼は死ぬほどの病気にかかりました。しかし、神は彼をあわれんでくださいました。彼だけでなく私もあわれんでくださり、悲しみに悲しみが重ならないようにしてくださいました。
28,そこで、私は大急ぎで彼を送ります。あなたがたが彼に再び会って喜び、私も心配が少なくなるためです。
29,ですから大きな喜びをもって、主にあって彼を迎えてください。また、彼のような人たちを尊敬しなさい。
30,彼はキリストの働きのために、死ぬばかりになりました。あなたがたが私に仕えることができなかった分を果たすため、いのちの危険を冒したのです。

2018年7月18日水曜日

ピリピ1

ピリピ人への手紙
1章
1,キリスト・イエスのしもべである、パウロとテモテから、ピリピにいる、キリスト・イエスにあるすべての聖徒たち、ならびに監督たちと執事たちへ。
2,私たちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたにありますように。
3,私は、あなたがたのことを思うたびに、私の神に感謝しています。
4,あなたがたすべてのために祈るたびに、いつも喜びをもって祈り、
5,あなたがたが最初の日から今日まで、福音を伝えることにともに携わってきたことを感謝しています。
6,あなたがたの間で良い働きを始められた方は、キリスト・イエスの日が来るまでにそれを完成させてくださると、私は確信しています。
7,あなたがたすべてについて、私がこのように考えるのは正しいことです。あなたがたはみな、私が投獄されているときも、福音を弁明し立証しているときも、私とともに恵みにあずかった人たちであり、そのようなあなたがたを私は心に留めているからです。
8,私がキリスト・イエスの愛の心をもって、どんなにあなたがたすべてを慕っているか、その証しをしてくださるのは神です。
9,私はこう祈っています。あなたがたの愛が、知識とあらゆる識別力によって、いよいよ豊かになり、
10,あなたがたが、大切なことを見分けることができますように。こうしてあなたがたが、キリストの日に備えて、純真で非難されるところのない者となり、
11,イエス・キリストによって与えられる義の実に満たされて、神の栄光と誉れが現されますように。
12,さて、兄弟たち。私の身に起こったことが、かえって福音の前進に役立ったことを知ってほしいのです。
13,私がキリストのゆえに投獄されていることが、親衛隊の全員と、ほかのすべての人たちに明らかになり、
14,兄弟たちの大多数は、私が投獄されたことで、主にあって確信を与えられ、恐れることなく、ますます大胆にみことばを語るようになりました。
15,人々の中には、ねたみや争いからキリストを宣べ伝える者もいますが、善意からする者もいます。
16,ある人たちは、私が福音を弁証するために立てられていることを知り、愛をもってキリストを伝えていますが、
17,ほかの人たちは党派心からキリストを宣べ伝えており、純粋な動機からではありません。鎖につながれている私をさらに苦しめるつもりなのです。
18,しかし、それが何だというのでしょう。見せかけであれ、真実であれ、あらゆる仕方でキリストが宣べ伝えられているのですから、私はそのことを喜んでいます。そうです。これからも喜ぶでしょう。
19,というのは、あなたがたの祈りとイエス・キリストの御霊の支えによって、私が切に期待し望んでいるとおりに、このことが結局は私の救いとなることを知っているからです。
20,私の願いは、どんな場合にも恥じることなく、今もいつものように大胆に語り、生きるにしても死ぬにしても、私の身によってキリストがあがめられることです。
21,私にとって生きることはキリスト、死ぬことは益です。
22,しかし、肉体において生きることが続くなら、私の働きが実を結ぶことになるので、どちらを選んだらよいか、私には分かりません。
23,私は、その二つのことの間で板ばさみとなっています。私の願いは、世を去ってキリストとともにいることです。そのほうが、はるかに望ましいのです。
24,しかし、この肉体にとどまることが、あなたがたのためにはもっと必要です。
25,このことを確信しているので、あなたがたの信仰の前進と喜びのために、私が生きながらえて、あなたがたすべてとともにいるようになることを知っています。
26,そうなれば、私は再びあなたがたのもとに行けるので、私に関するあなたがたの誇りは、キリスト・イエスにあって増し加わるでしょう。
27,ただキリストの福音にふさわしく生活しなさい。そうすれば、私が行ってあなたがたに会うにしても、離れているにしても、あなたがたについて、こう聞くことができるでしょう。あなたがたは霊を一つにして堅く立ち、福音の信仰のために心を一つにしてともに戦っていて、
28,どんなことがあっても、反対者たちに脅かされることはない、と。そのことは、彼らにとっては滅びのしるし、あなたがたにとっては救いのしるしです。それは神によることです。
29,あなたがたがキリストのために受けた恵みは、キリストを信じることだけでなく、キリストのために苦しむことでもあるのです。
30,かつて私について見て、今また私について聞いているのと同じ苦闘を、あなたがたは経験しているのです。

2018年7月17日火曜日

エペソ6

エペソ人への手紙
6章
1,子どもたちよ。主にあって自分の両親に従いなさい。これは正しいことなのです。
2,「あなたの父と母を敬え。」これは約束を伴う第一の戒めです。
3,「そうすれば、あなたは幸せになり、その土地であなたの日々は長く続く」という約束です。
4,父たちよ。自分の子どもたちを怒らせてはいけません。むしろ、主の教育と訓戒によって育てなさい。
5,奴隷たちよ。キリストに従うように、恐れおののいて真心から地上の主人に従いなさい。
6,ご機嫌取りのような、うわべだけの仕え方ではなく、キリストのしもべとして心から神のみこころを行い、
7,人にではなく主に仕えるように、喜んで仕えなさい。
8,奴隷であっても自由人であっても、良いことを行えば、それぞれ主からその報いを受けることを、あなたがたは知っています。
9,主人たちよ。あなたがたも奴隷に対して同じようにしなさい。脅すことはやめなさい。あなたがたは、彼らの主、またあなたがたの主が天におられ、主は人を差別なさらないことを知っているのです。
10,終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。
11,悪魔の策略に対して堅く立つことができるように、神のすべての武具を身に着けなさい。
12,私たちの格闘は血肉に対するものではなく、支配、力、この暗闇の世界の支配者たち、また天上にいるもろもろの悪霊に対するものです。
13,ですから、邪悪な日に際して対抗できるように、また、一切を成し遂げて堅く立つことができるように、神のすべての武具を取りなさい。
14,そして、堅く立ちなさい。腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、
15,足には平和の福音の備えをはきなさい。
16,これらすべての上に、信仰の盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢をすべて消すことができます。
17,救いのかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち神のことばを取りなさい。
18,あらゆる祈りと願いによって、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのために、目を覚ましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい。
19,また、私のためにも、私が口を開くときに語るべきことばが与えられて、福音の奥義を大胆に知らせることができるように、祈ってください。
20,私はこの福音のために、鎖につながれながらも使節の務めを果たしています。宣べ伝える際、語るべきことを大胆に語れるように、祈ってください。
21,私の様子や私が何をしているかを、あなたがたにも分かってもらうために、愛する兄弟、主にある忠実な奉仕者であるティキコがすべてを知らせます。
22,ティキコをあなたがたのもとに遣わすのは、ほかでもなく、あなたがたが私たちの様子を知って、心に励ましを受けるためです。
23,信仰に伴う、平安と愛が、父なる神と主イエス・キリストから、兄弟たちにありますように。
24,朽ちることのない愛をもって私たちの主イエス・キリストを愛する、すべての人とともに、恵みがありますように。

2018年7月16日月曜日

エペソ5

エペソ人への手紙
5章
1,ですから、愛されている子どもらしく、神に倣う者となりなさい。
2,また、愛のうちに歩みなさい。キリストも私たちを愛して、私たちのために、ご自分を神へのささげ物、またいけにえとし、芳ばしい香りを献げてくださいました。
3,あなたがたの間では、聖徒にふさわしく、淫らな行いも、どんな汚れも、また貪りも、口にすることさえしてはいけません。
4,また、わいせつなことや、愚かなおしゃべり、下品な冗談もそうです。これらは、ふさわしくありません。むしろ、口にすべきは感謝のことばです。
5,このことをよく知っておきなさい。淫らな者、汚れた者、貪る者は偶像礼拝者であって、こういう者はだれも、キリストと神との御国を受け継ぐことができません。
6,だれにも空しいことばでだまされてはいけません。こういう行いのゆえに、神の怒りは不従順の子らに下るのです。
7,ですから、彼らの仲間になってはいけません。
8,あなたがたは以前は闇でしたが、今は、主にあって光となりました。光の子どもとして歩みなさい。
9,あらゆる善意と正義と真実のうちに、光は実を結ぶのです。
10,何が主に喜ばれることなのかを吟味しなさい。
11,実を結ばない暗闇のわざに加わらず、むしろ、それを明るみに出しなさい。
12,彼らがひそかに行っていることは、口にするのも恥ずかしいことなのです。
13,しかし、すべてのものは光によって明るみに引き出され、明らかにされます。
14,明らかにされるものはみな光だからです。それで、こう言われています。「眠っている人よ、起きよ。死者の中から起き上がれ。そうすれば、キリストがあなたを照らされる。」
15,ですから、自分がどのように歩んでいるか、あなたがたは細かく注意を払いなさい。知恵のない者としてではなく、知恵のある者として、
16,機会を十分に活かしなさい。悪い時代だからです。
17,ですから、愚かにならないで、主のみこころが何であるかを悟りなさい。
18,また、ぶどう酒に酔ってはいけません。そこには放蕩があるからです。むしろ、御霊に満たされなさい。
19,詩と賛美と霊の歌をもって互いに語り合い、主に向かって心から賛美し、歌いなさい。
20,いつでも、すべてのことについて、私たちの主イエス・キリストの名によって、父である神に感謝しなさい。
21,キリストを恐れて、互いに従い合いなさい。
22,妻たちよ。主に従うように、自分の夫に従いなさい。
23,キリストが教会のかしらであり、ご自分がそのからだの救い主であるように、夫は妻のかしらなのです。
24,教会がキリストに従うように、妻もすべてにおいて夫に従いなさい。
25,夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自分を献げられたように、あなたがたも妻を愛しなさい。
26,キリストがそうされたのは、みことばにより、水の洗いをもって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、
27,ご自分で、しみや、しわや、そのようなものが何一つない、聖なるもの、傷のないものとなった栄光の教会を、ご自分の前に立たせるためです。
28,同様に夫たちも、自分の妻を自分のからだのように愛さなければなりません。自分の妻を愛する人は自分自身を愛しているのです。
29,いまだかつて自分の身を憎んだ人はいません。むしろ、それを養い育てます。キリストも教会に対してそのようになさるのです。
30,私たちはキリストのからだの部分だからです。
31,「それゆえ、男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである。」
32,この奥義は偉大です。私は、キリストと教会を指して言っているのです。
33,それはそれとして、あなたがたもそれぞれ、自分の妻を自分と同じように愛しなさい。妻もまた、自分の夫を敬いなさい。

2018年7月15日日曜日

エペソ4

エペソ人への手紙
4章
1,さて、主にある囚人の私はあなたがたに勧めます。あなたがたは、召されたその召しにふさわしく歩みなさい。
2,謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに耐え忍び、
3,平和の絆で結ばれて、御霊による一致を熱心に保ちなさい。
4,あなたがたが召された、その召しの望みが一つであったのと同じように、からだは一つ、御霊は一つです。
5,主はひとり、信仰は一つ、バプテスマは一つです。
6,すべてのものの上にあり、すべてのものを貫き、すべてのもののうちにおられる、すべてのものの父である神はただひとりです。
7,しかし、私たちは一人ひとり、キリストの賜物の量りにしたがって恵みを与えられました。
8,そのため、こう言われています。「彼はいと高き所に上ったとき、捕虜を連れて行き、人々に贈り物を与えられた。」
9,「上った」ということは、彼が低い所、つまり地上に降られたということでなくて何でしょうか。
10,この降られた方ご自身は、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも高く上られた方でもあります。
11,こうして、キリストご自身が、ある人たちを使徒、ある人たちを預言者、ある人たちを伝道者、ある人たちを牧師また教師としてお立てになりました。
12,それは、聖徒たちを整えて奉仕の働きをさせ、キリストのからだを建て上げるためです。
13,私たちはみな、神の御子に対する信仰と知識において一つとなり、一人の成熟した大人となって、キリストの満ち満ちた身丈にまで達するのです。
14,こうして、私たちはもはや子どもではなく、人の悪巧みや人を欺く悪賢い策略から出た、どんな教えの風にも、吹き回されたり、もてあそばれたりすることがなく、
15,むしろ、愛をもって真理を語り、あらゆる点において、かしらであるキリストに向かって成長するのです。
16,キリストによって、からだ全体は、あらゆる節々を支えとして組み合わされ、つなぎ合わされ、それぞれの部分がその分に応じて働くことにより成長して、愛のうちに建てられることになります。
17,ですから私は言います。主にあって厳かに勧めます。あなたがたはもはや、異邦人がむなしい心で歩んでいるように歩んではなりません。
18,彼らは知性において暗くなり、彼らのうちにある無知と、頑なな心のゆえに、神のいのちから遠く離れています。
19,無感覚になった彼らは、好色に身を任せて、あらゆる不潔な行いを貪るようになっています。
20,しかしあなたがたは、キリストをそのように学んだのではありません。
21,ただし、本当にあなたがたがキリストについて聞き、キリストにあって教えられているとすれば、です。真理はイエスにあるのですから。
22,その教えとは、あなたがたの以前の生活について言えば、人を欺く情欲によって腐敗していく古い人を、あなたがたが脱ぎ捨てること、
23,また、あなたがたが霊と心において新しくされ続け、
24,真理に基づく義と聖をもって、神にかたどり造られた新しい人を着ることでした。
25,ですから、あなたがたは偽りを捨て、それぞれ隣人に対して真実を語りなさい。私たちは互いに、からだの一部分なのです。
26,怒っても、罪を犯してはなりません。憤ったままで日が暮れるようであってはいけません。
27,悪魔に機会を与えないようにしなさい。
28,盗みをしている者は、もう盗んではいけません。むしろ、困っている人に分け与えるため、自分の手で正しい仕事をし、労苦して働きなさい。
29,悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むしろ、必要なときに、人の成長に役立つことばを語り、聞く人に恵みを与えなさい。
30,神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖霊によって証印を押されているのです。
31,無慈悲、憤り、怒り、怒号、ののしりなどを、一切の悪意とともに、すべて捨て去りなさい。
32,互いに親切にし、優しい心で赦し合いなさい。神も、キリストにおいてあなたがたを赦してくださったのです。

2018年7月14日土曜日

エペソ3

エペソ人への手紙
3章
1,こういうわけで、あなたがた異邦人のために、私パウロはキリスト・イエスの囚人となっています。
2,あなたがたのために私に与えられた神の恵みの務めについては、あなたがたはすでに聞いたことでしょう。
3,先に短く書いたとおり、奥義が啓示によって私に知らされました。
4,それを読めば、私がキリストの奥義をどう理解しているかがよく分かるはずです。
5,この奥義は、前の時代には、今のように人の子らに知らされていませんでしたが、今は御霊によって、キリストの聖なる使徒たちと預言者たちに啓示されています。
6,それは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人も共同の相続人になり、ともに同じからだに連なって、ともに約束にあずかる者になるということです。
7,私は、神の力の働きによって私に与えられた神の恵みの賜物により、この福音に仕える者になりました。
8,すべての聖徒たちのうちで最も小さな私に、この恵みが与えられたのは、キリストの測り知れない富を福音として異邦人に宣べ伝えるためであり、
9,また、万物を創造した神のうちに世々隠されていた奥義の実現がどのようなものなのかを、すべての人に明らかにするためです。
10,これは、今、天上にある支配と権威に、教会を通して神のきわめて豊かな知恵が知らされるためであり、
11,私たちの主キリスト・イエスにおいて成し遂げられた、永遠のご計画によるものです。
12,私たちはこのキリストにあって、キリストに対する信仰により、確信をもって大胆に神に近づくことができます。
13,ですから、私があなたがたのために苦難にあっていることで、落胆することのないようお願いします。私が受けている苦難は、あなたがたの栄光なのです。
14,こういうわけで、私は膝をかがめて、
15,天と地にあるすべての家族の、「家族」という呼び名の元である御父の前に祈ります。
16,どうか御父が、その栄光の豊かさにしたがって、内なる人に働く御霊により、力をもってあなたがたを強めてくださいますように。
17,信仰によって、あなたがたの心のうちにキリストを住まわせてくださいますように。そして、愛に根ざし、愛に基礎を置いているあなたがたが、
18,すべての聖徒たちとともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、
19,人知をはるかに超えたキリストの愛を知ることができますように。そのようにして、神の満ちあふれる豊かさにまで、あなたがたが満たされますように。
20,どうか、私たちのうちに働く御力によって、私たちが願うところ、思うところのすべてをはるかに超えて行うことのできる方に、
21,教会において、またキリスト・イエスにあって、栄光が、世々限りなく、とこしえまでもありますように。アーメン。

2018年7月13日金曜日

エペソ2

エペソ人への手紙
2章
1,さて、あなたがたは自分の背きと罪の中に死んでいた者であり、
2,かつては、それらの罪の中にあってこの世の流れに従い、空中の権威を持つ支配者、すなわち、不従順の子らの中に今も働いている霊に従って歩んでいました。
3,私たちもみな、不従順の子らの中にあって、かつては自分の肉の欲のままに生き、肉と心の望むことを行い、ほかの人たちと同じように、生まれながら御怒りを受けるべき子らでした。
4,しかし、あわれみ豊かな神は、私たちを愛してくださったその大きな愛のゆえに、
5,背きの中に死んでいた私たちを、キリストとともに生かしてくださいました。あなたがたが救われたのは恵みによるのです。
6,神はまた、キリスト・イエスにあって、私たちをともによみがえらせ、ともに天上に座らせてくださいました。
7,それは、キリスト・イエスにあって私たちに与えられた慈愛によって、この限りなく豊かな恵みを、来たるべき世々に示すためでした。
8,この恵みのゆえに、あなたがたは信仰によって救われたのです。それはあなたがたから出たことではなく、神の賜物です。
9,行いによるのではありません。だれも誇ることのないためです。
10,実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました。
11,ですから、思い出してください。あなたがたはかつて、肉においては異邦人でした。人の手で肉に施された、いわゆる「割礼」を持つ人々からは、無割礼の者と呼ばれ、
12,そのころは、キリストから遠く離れ、イスラエルの民から除外され、約束の契約については他国人で、この世にあって望みもなく、神もない者たちでした。
13,しかし、かつては遠く離れていたあなたがたも、今ではキリスト・イエスにあって、キリストの血によって近い者となりました。
14,実に、キリストこそ私たちの平和です。キリストは私たち二つのものを一つにし、ご自分の肉において、隔ての壁である敵意を打ち壊し、
15,様々な規定から成る戒めの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、この二つをご自分において新しい一人の人に造り上げて平和を実現し、
16,二つのものを一つのからだとして、十字架によって神と和解させ、敵意を十字架によって滅ぼされました。
17,また、キリストは来て、遠くにいたあなたがたに平和を、また近くにいた人々にも平和を、福音として伝えられました。
18,このキリストを通して、私たち二つのものが、一つの御霊によって御父に近づくことができるのです。
19,こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、聖徒たちと同じ国の民であり、神の家族なのです。
20,使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスご自身がその要の石です。
21,このキリストにあって、建物の全体が組み合わされて成長し、主にある聖なる宮となります。
22,あなたがたも、このキリストにあって、ともに築き上げられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。

2018年7月12日木曜日

エペソ1

エペソ人への手紙
1章
1,神のみこころによるキリスト・イエスの使徒パウロから、キリスト・イエスにある忠実なエペソの聖徒たちへ。
2,私たちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたにありますように。
3,私たちの主イエス・キリストの父である神がほめたたえられますように。神はキリストにあって、天上にあるすべての霊的祝福をもって私たちを祝福してくださいました。
4,すなわち神は、世界の基が据えられる前から、この方にあって私たちを選び、御前に聖なる、傷のない者にしようとされたのです。
5,神は、みこころの良しとするところにしたがって、私たちをイエス・キリストによってご自分の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられました。
6,それは、神がその愛する方にあって私たちに与えてくださった恵みの栄光が、ほめたたえられるためです。
7,このキリストにあって、私たちはその血による贖い、背きの罪の赦しを受けています。これは神の豊かな恵みによることです。
8,この恵みを、神はあらゆる知恵と思慮をもって私たちの上にあふれさせ、
9,みこころの奥義を私たちに知らせてくださいました。その奥義とは、キリストにあって神があらかじめお立てになったみむねにしたがい、
10,時が満ちて計画が実行に移され、天にあるものも地にあるものも、一切のものが、キリストにあって、一つに集められることです。
11,またキリストにあって、私たちは御国を受け継ぐ者となりました。すべてをみこころによる計画のままに行う方の目的にしたがい、あらかじめそのように定められていたのです。
12,それは、前からキリストに望みを置いていた私たちが、神の栄光をほめたたえるためです。
13,このキリストにあって、あなたがたもまた、真理のことば、あなたがたの救いの福音を聞いてそれを信じたことにより、約束の聖霊によって証印を押されました。
14,聖霊は私たちが御国を受け継ぐことの保証です。このことは、私たちが贖われて神のものとされ、神の栄光がほめたたえられるためです。
15,こういうわけで私も、主イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対する愛を聞いているので、
16,祈るときには、あなたがたのことを思い、絶えず感謝しています。
17,どうか、私たちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。
18,また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しにより与えられる望みがどのようなものか、聖徒たちが受け継ぐものがどれほど栄光に富んだものか、
19,また、神の大能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力が、どれほど偉大なものであるかを、知ることができますように。
20,この大能の力を神はキリストのうちに働かせて、キリストを死者の中からよみがえらせ、天上でご自分の右の座に着かせて、
21,すべての支配、権威、権力、主権の上に、また、今の世だけでなく、次に来る世においても、となえられるすべての名の上に置かれました。
22,また、神はすべてのものをキリストの足の下に従わせ、キリストを、すべてのものの上に立つかしらとして教会に与えられました。
23,教会はキリストのからだであり、すべてのものをすべてのもので満たす方が満ちておられるところです。

2018年7月11日水曜日

ガラテヤ6

ガラテヤ人への手紙
6章
1,兄弟たち。もしだれかが何かの過ちに陥っていることが分かったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。また、自分自身も誘惑に陥らないように気をつけなさい。
2,互いの重荷を負い合いなさい。そうすれば、キリストの律法を成就することになります。
3,だれかが、何者でもないのに、自分を何者かであるように思うなら、自分自身を欺いているのです。
4,それぞれ自分の行いを吟味しなさい。そうすれば、自分にだけは誇ることができても、ほかの人には誇ることができなくなるでしょう。
5,人はそれぞれ、自分自身の重荷を負うことになるのです。
6,みことばを教えてもらう人は、教えてくれる人と、すべての良いものを分かち合いなさい。
7,思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、刈り取りもすることになります。
8,自分の肉に蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊に蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。
9,失望せずに善を行いましょう。あきらめずに続ければ、時が来て刈り取ることになります。
10,ですから、私たちは機会があるうちに、すべての人に、特に信仰の家族に善を行いましょう。
11,ご覧なさい。こんなに大きな字で、私はあなたがたに自分の手で書いています。
12,肉において外見を良くしたい者たちが、ただ、キリストの十字架のゆえに自分たちが迫害されないようにと、あなたがたに割礼を強いています。
13,割礼を受けている者たちは、自分自身では律法を守っていないのに、あなたがたの肉を誇るために、あなたがたに割礼を受けさせたいのです。
14,しかし私には、私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが、決してあってはなりません。この十字架につけられて、世は私に対して死に、私も世に対して死にました。
15,割礼を受けているか受けていないかは、大事なことではありません。大事なのは新しい創造です。
16,この基準にしたがって進む人々の上に、そして神のイスラエルの上に、平安とあわれみがありますように。
17,これからは、だれも私を煩わせないようにしてください。私は、この身にイエスの焼き印を帯びているのですから。
18,兄弟たち。私たちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊とともにありますように。アーメン。

2018年7月10日火曜日

ガラテヤ5

ガラテヤ人への手紙
5章
1,キリストは、自由を得させるために私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは堅く立って、再び奴隷のくびきを負わされないようにしなさい。
2,よく聞いてください。私パウロがあなたがたに言います。もしあなたがたが割礼を受けるなら、キリストはあなたがたに、何の益ももたらさないことになります。
3,割礼を受けるすべての人に、もう一度はっきり言っておきます。そういう人には律法全体を行う義務があります。
4,律法によって義と認められようとしているなら、あなたがたはキリストから離れ、恵みから落ちてしまったのです。
5,私たちは、義とされる望みの実現を、信仰により、御霊によって待ち望んでいるのですから。
6,キリスト・イエスにあって大事なのは、割礼を受ける受けないではなく、愛によって働く信仰なのです。
7,あなたがたはよく走っていたのに、だれがあなたがたの邪魔をして、真理に従わないようにさせたのですか。
8,そのような説得は、あなたがたを召された方から出たものではありません。
9,わずかなパン種が、こねた粉全体をふくらませるのです。
10,あなたがたが別の考えを持つことは決してないと、私は主にあって確信しています。しかし、あなたがたを動揺させる者は、だれであろうと、さばきを受けます。
11,兄弟たち。もし私が今でも割礼を宣べ伝えているなら、どうして今なお迫害を受けているのですか。それを宣べ伝えているなら、十字架のつまずきはなくなっているはずです。
12,あなたがたをかき乱す者たちは、いっそのこと切除してしまえばよいのです。
13,兄弟たち。あなたがたは自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕え合いなさい。
14,律法全体は、「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」という一つのことばで全うされるのです。
15,気をつけなさい。互いに、かみつき合ったり、食い合ったりしているなら、互いの間で滅ぼされてしまいます。
16,私は言います。御霊によって歩みなさい。そうすれば、肉の欲望を満たすことは決してありません。
17,肉が望むことは御霊に逆らい、御霊が望むことは肉に逆らうからです。この二つは互いに対立しているので、あなたがたは願っていることができなくなります。
18,御霊によって導かれているなら、あなたがたは律法の下にはいません。
19,肉のわざは明らかです。すなわち、淫らな行い、汚れ、好色、
20,偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、
21,ねたみ、泥酔、遊興、そういった類のものです。以前にも言ったように、今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。このようなことをしている者たちは神の国を相続できません。
22,しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、
23,柔和、自制です。このようなものに反対する律法はありません。
24,キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、情欲や欲望とともに十字架につけたのです。
25,私たちは、御霊によって生きているのなら、御霊によって進もうではありませんか。
26,うぬぼれて、互いに挑み合ったり、ねたみ合ったりしないようにしましょう。

2018年7月9日月曜日

ガラテヤ4

ガラテヤ人への手紙
4章
1,つまり、こういうことです。相続人は、全財産の持ち主なのに、子どもであるうちは奴隷と何も変わらず、
2,父が定めた日までは、後見人や管理人の下にあります。
3,同じように私たちも、子どもであったときには、この世のもろもろの霊の下に奴隷となっていました。
4,しかし時が満ちて、神はご自分の御子を、女から生まれた者、律法の下にある者として遣わされました。
5,それは、律法の下にある者を贖い出すためであり、私たちが子としての身分を受けるためでした。
6,そして、あなたがたが子であるので、神は「アバ、父よ」と叫ぶ御子の御霊を、私たちの心に遣わされました。
7,ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神による相続人です。
8,あなたがたは、かつて神を知らなかったとき、本来神ではない神々の奴隷でした。
9,しかし、今では神を知っているのに、いや、むしろ神に知られているのに、どうして弱くて貧弱な、もろもろの霊に逆戻りして、もう一度改めて奴隷になりたいと願うのですか。
10,あなたがたは、いろいろな日、月、季節、年を守っています。
11,私は、あなたがたのために労したことが無駄になったのではないかと、あなたがたのことを心配しています。
12,兄弟たち、あなたがたに願います。私もあなたがたのようになったのですから、あなたがたも私のようになってください。あなたがたは私に悪いことを何一つしていません。
13,あなたがたが知っているとおり、私が最初あなたがたに福音を伝えたのは、私の肉体が弱かったためでした。
14,そして私の肉体には、あなたがたにとって試練となるものがあったのに、あなたがたは軽蔑したり嫌悪したりせず、かえって、私を神の御使いであるかのように、キリスト・イエスであるかのように、受け入れてくれました。
15,それなのに、あなたがたの幸いは、今どこにあるのですか。私はあなたがたのために証ししますが、あなたがたは、できることなら、自分の目をえぐり出して私に与えようとさえしたのです。
16,それでは、私はあなたがたに真理を語ったために、あなたがたの敵になったのでしょうか。
17,あの人たちはあなたがたに対して熱心ですが、それは善意からではありません。彼らはあなたがたを私から引き離して、自分たちに熱心にならせようとしているのです。
18,善意から熱心に慕われるのは、いつでも良いことです。それは、私があなたがたと一緒にいる時だけではありません。
19,私の子どもたち。あなたがたのうちにキリストが形造られるまで、私は再びあなたがたのために産みの苦しみをしています。
20,私は今、あなたがたと一緒にいて、口調を変えて話せたらと思います。あなたがたのことで私は途方に暮れているのです。
21,律法の下にいたいと思う人たち、私に答えてください。あなたがたは律法の言うことを聞かないのですか。
22,アブラハムには二人の息子がいて、一人は女奴隷から、一人は自由の女から生まれた、と書かれています。
23,女奴隷の子は肉によって生まれたのに対し、自由の女の子は約束によって生まれました。
24,ここには比喩的な意味があります。この女たちは二つの契約を表しています。一方はシナイ山から出ていて、奴隷となる子を産みます。それはハガルのことです。
25,このハガルは、アラビアにあるシナイ山のことで、今のエルサレムに当たります。なぜなら、今のエルサレムは、彼女の子らとともに奴隷となっているからです。
26,しかし、上にあるエルサレムは自由の女であり、私たちの母です。
27,なぜなら、こう書いてあるからです。「子を産まない不妊の女よ、喜び歌え。産みの苦しみを知らない女よ、喜び叫べ。夫に捨てられた女の子どもは、夫のある女の子どもよりも多いからだ。」
28,兄弟たち、あなたがたはイサクのように約束の子どもです。
29,けれども、あのとき、肉によって生まれた者が、御霊によって生まれた者を迫害したように、今もそのとおりになっています。
30,しかし、聖書は何と言っていますか。「女奴隷とその子どもを追い出してください。女奴隷の子どもは、決して自由の女の子どもとともに相続すべきではないのです。」
31,こういうわけで、兄弟たち、私たちは女奴隷の子どもではなく、自由の女の子どもです。

2018年7月8日日曜日

ガラテヤ3

ガラテヤ人への手紙
3章
1,ああ、愚かなガラテヤ人。十字架につけられたイエス・キリストが、目の前に描き出されたというのに、だれがあなたがたを惑わしたのですか。
2,これだけは、あなたがたに聞いておきたい。あなたがたが御霊を受けたのは、律法を行ったからですか。それとも信仰をもって聞いたからですか。
3,あなたがたはそんなにも愚かなのですか。御霊によって始まったあなたがたが、今、肉によって完成されるというのですか。
4,あれほどの経験をしたのは、無駄だったのでしょうか。まさか、無駄だったということはないでしょう。
5,あなたがたに御霊を与え、あなたがたの間で力あるわざを行われる方は、あなたがたが律法を行ったから、そうなさるのでしょうか。それとも信仰をもって聞いたから、そうなさるのでしょうか。
6,「アブラハムは神を信じた。それで、それが彼の義と認められた」とあるとおりです。
7,ですから、信仰によって生きる人々こそアブラハムの子である、と知りなさい。
8,聖書は、神が異邦人を信仰によって義とお認めになることを前から知っていたので、アブラハムに対して、「すべての異邦人が、あなたによって祝福される」と、前もって福音を告げました。
9,ですから、信仰によって生きる人々が、信仰の人アブラハムとともに祝福を受けるのです。
10,律法の行いによる人々はみな、のろいのもとにあります。「律法の書に書いてあるすべてのことを守り行わない者はみな、のろわれる」と書いてあるからです。
11,律法によって神の前に義と認められる者が、だれもいないということは明らかです。「義人は信仰によって生きる」からです。
12,律法は、「信仰による」のではありません。「律法の掟を行う人は、その掟によって生きる」のです。
13,キリストは、ご自分が私たちのためにのろわれた者となることで、私たちを律法ののろいから贖い出してくださいました。「木にかけられた者はみな、のろわれている」と書いてあるからです。
14,それは、アブラハムへの祝福がキリスト・イエスによって異邦人に及び、私たちが信仰によって約束の御霊を受けるようになるためでした。
15,兄弟たちよ、人間の例で説明しましょう。人間の契約でも、いったん結ばれたら、だれもそれを無効にしたり、それにつけ加えたりはしません。
16,約束は、アブラハムとその子孫に告げられました。神は、「子孫たちに」と言って多数を指すことなく、一人を指して「あなたの子孫に」と言っておられます。それはキリストのことです。
17,私の言おうとしていることは、こうです。先に神によって結ばれた契約を、その後四百三十年たってできた律法が無効にし、その約束を破棄することはありません。
18,相続がもし律法によるなら、もはやそれは約束によるのではありません。しかし、神は約束を通して、アブラハムに相続の恵みを下さったのです。
19,それでは、律法とは何でしょうか。それは、約束を受けたこの子孫が来られるときまで、違反を示すためにつけ加えられたもので、御使いたちを通して仲介者の手で定められたものです。
20,仲介者は、当事者が一人であれば、いりません。しかし約束をお与えになった神は唯一の方です。
21,それでは、律法は神の約束に反するのでしょうか。決してそんなことはありません。もし、いのちを与えることができる律法が与えられたのであれば、義は確かに律法によるものだったでしょう。
22,しかし聖書は、すべてのものを罪の下に閉じ込めました。それは約束が、イエス・キリストに対する信仰によって、信じる人たちに与えられるためでした。
23,信仰が現れる前、私たちは律法の下で監視され、来たるべき信仰が啓示されるまで閉じ込められていました。
24,こうして、律法は私たちをキリストに導く養育係となりました。それは、私たちが信仰によって義と認められるためです。
25,しかし、信仰が現れたので、私たちはもはや養育係の下にはいません。
26,あなたがたはみな、信仰により、キリスト・イエスにあって神の子どもです。
27,キリストにつくバプテスマを受けたあなたがたはみな、キリストを着たのです。
28,ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由人もなく、男と女もありません。あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって一つだからです。
29,あなたがたがキリストのものであれば、アブラハムの子孫であり、約束による相続人なのです。

2018年7月7日土曜日

ガラテヤ2

ガラテヤ人への手紙
2章
1,それから十四年たって、私はバルナバと一緒に、テトスも連れて、再びエルサレムに上りました。
2,私は啓示によって上ったのです。そして、私が今走っていること、また今まで走ってきたことが無駄にならないように、異邦人の間で私が伝えている福音を人々に示しました。おもだった人たちには個人的にそうしました。
3,しかし、私と一緒にいたテトスでさえ、ギリシア人であったのに、割礼を強いられませんでした。
4,忍び込んだ偽兄弟たちがいたのに、強いられるということはありませんでした。彼らは私たちを奴隷にしようとして、キリスト・イエスにあって私たちが持っている自由を狙って、忍び込んでいたのです。
5,私たちは、一時も彼らに譲歩したり屈服したりすることはありませんでした。それは、福音の真理があなたがたのもとで保たれるためでした。
6,そして、おもだった人たちからは──彼らがどれほどの者であっても、私にとって問題ではありません。神は人を分け隔てなさいません──そのおもだった人たちは、私に対して何もつけ加えはしませんでした。
7,それどころか、ペテロが割礼を受けている者への福音を委ねられているように、私は割礼を受けていない者への福音を委ねられていることを理解してくれました。
8,ペテロに働きかけて、割礼を受けている者への使徒とされた方が、私にも働きかけて、異邦人への使徒としてくださったからでした。
9,そして、私に与えられたこの恵みを認め、柱として重んじられているヤコブとケファとヨハネが、私とバルナバに、交わりのしるしとして右手を差し出しました。それは、私たちが異邦人のところに行き、彼らが割礼を受けている人々のところに行くためでした。
10,ただ、私たちが貧しい人たちのことを心に留めるようにとのことでしたが、そのことなら私も大いに努めてきました。
11,ところが、ケファがアンティオキアに来たとき、彼に非難すべきことがあったので、私は面と向かって抗議しました。
12,ケファは、ある人たちがヤコブのところから来る前は、異邦人と一緒に食事をしていたのに、その人たちが来ると、割礼派の人々を恐れて異邦人から身を引き、離れて行ったからです。
13,そして、ほかのユダヤ人たちも彼と一緒に本心を偽った行動をとり、バルナバまで、その偽りの行動に引き込まれてしまいました。
14,彼らが福音の真理に向かってまっすぐに歩んでいないのを見て、私は皆の面前でケファにこう言いました。「あなた自身、ユダヤ人でありながら、ユダヤ人ではなく異邦人のように生活しているのならば、どうして異邦人に、ユダヤ人のように生活することを強いるのですか。」
15,私たちは、生まれながらのユダヤ人であって、「異邦人のような罪人」ではありません。
16,しかし、人は律法を行うことによってではなく、ただイエス・キリストを信じることによって義と認められると知って、私たちもキリスト・イエスを信じました。律法を行うことによってではなく、キリストを信じることによって義と認められるためです。というのは、肉なる者はだれも、律法を行うことによっては義と認められないからです。
17,しかし、もし、私たちがキリストにあって義と認められようとすることで、私たち自身も「罪人」であることになるのなら、キリストは罪に仕える者なのですか。決してそんなことはありません。
18,もし自分が打ち壊したものを再び建てるなら、私は自分が違反者であると証明することになるのです。
19,しかし私は、神に生きるために、律法によって律法に死にました。私はキリストとともに十字架につけられました。
20,もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。今私が肉において生きているいのちは、私を愛し、私のためにご自分を与えてくださった、神の御子に対する信仰によるのです。
21,私は神の恵みを無にはしません。もし義が律法によって得られるとしたら、それこそ、キリストの死は無意味になってしまいます。

2018年7月6日金曜日

ガラテヤ1

ガラテヤ人への手紙
1章
1,人々から出たのではなく、人間を通してでもなく、イエス・キリストと、キリストを死者の中からよみがえらせた父なる神によって、使徒とされたパウロと、
2,私とともにいるすべての兄弟たちから、ガラテヤの諸教会へ。
3,私たちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたにありますように。
4,キリストは、今の悪の時代から私たちを救い出すために、私たちの罪のためにご自分を与えてくださいました。私たちの父である神のみこころにしたがったのです。
5,この神に、栄光が世々限りなくありますように。アーメン。
6,私は驚いています。あなたがたが、キリストの恵みによって自分たちを召してくださった方から、このように急に離れて、ほかの福音に移って行くことに。
7,ほかの福音といっても、もう一つ別に福音があるわけではありません。あなたがたを動揺させて、キリストの福音を変えてしまおうとする者たちがいるだけです。
8,しかし、私たちであれ天の御使いであれ、もし私たちがあなたがたに宣べ伝えた福音に反することを、福音として宣べ伝えるなら、そのような者はのろわれるべきです。
9,私たちが以前にも言ったように、今もう一度、私は言います。もしだれかが、あなたがたが受けた福音に反する福音をあなたがたに宣べ伝えているなら、そのような者はのろわれるべきです。
10,今、私は人々に取り入ろうとしているのでしょうか。神に取り入ろうとしているのでしょうか。あるいは、人々を喜ばせようと努めているのでしょうか。もし今なお人々を喜ばせようとしているのなら、私はキリストのしもべではありません。
11,兄弟たち、私はあなたがたに明らかにしておきたいのです。私が宣べ伝えた福音は、人間によるものではありません。
12,私はそれを人間から受けたのではなく、また教えられたのでもありません。ただイエス・キリストの啓示によって受けたのです。
13,ユダヤ教のうちにあった、かつての私の生き方を、あなたがたはすでに聞いています。私は激しく神の教会を迫害し、それを滅ぼそうとしました。
14,また私は、自分の同胞で同じ世代の多くの人に比べ、はるかにユダヤ教に進んでおり、先祖の伝承に人一倍熱心でした。
15,しかし、母の胎にあるときから私を選び出し、恵みをもって召してくださった神が、
16,異邦人の間に御子の福音を伝えるため、御子を私のうちに啓示することを良しとされたとき、私は血肉に相談することをせず、
17,私より先に使徒となった人たちに会うためにエルサレムに上ることもせず、すぐにアラビアに出て行き、再びダマスコに戻りました。
18,それから三年後に、私はケファを訪ねてエルサレムに上り、彼のもとに十五日間滞在しました。
19,しかし、主の兄弟ヤコブは別として、ほかの使徒たちにはだれにも会いませんでした。
20,神の御前で言いますが、私があなたがたに書いていることに偽りはありません。
21,それから、私はシリアおよびキリキアの地方に行きました。
22,それで私は、キリストにあるユダヤの諸教会には顔を知られることはありませんでした。
23,ただ、人々は、「以前私たちを迫害した者が、そのとき滅ぼそうとした信仰を今は宣べ伝えている」と聞いて、
24,私のことで神をあがめていました。

2018年7月5日木曜日

使徒28:16-31

使徒の働き
28章
16,私たちがローマに入ったとき、パウロは、監視の兵士が付いてはいたが、一人で生活することを許された。
17,三日後、パウロはユダヤ人のおもだった人たちを呼び集めた。そして、彼らが集まったとき、こう言った。「兄弟たち。私は、民に対しても先祖の慣習に対しても、何一つ背くことはしていないにもかかわらず、エルサレムで囚人としてローマ人の手に渡されました。
18,彼らは私を取り調べましたが、私に死に値する罪が何もなかったので、釈放しようと思いました。
19,ところが、ユダヤ人たちが反対したため、私は仕方なくカエサルに上訴しました。自分の同胞を訴えようとしたわけではありません。
20,そういうわけで、私はあなたがたに会ってお話ししたいと願ったのです。私がこの鎖につながれているのは、イスラエルの望みのためです。」
21,すると、彼らはパウロに言った。「私たちは、あなたについて、ユダヤから何の通知も受け取っていません。また、ここに来た兄弟たちのだれかが、あなたについて何か悪いことを告げたり、話したりしたこともありません。
22,私たちは、あなたが考えておられることを、あなたから聞くのがよいと思っています。この宗派について、いたるところで反対があるということを、私たちは耳にしていますから。」
23,そこで彼らは日を定めて、さらに大勢でパウロの宿にやって来た。パウロは、神の国のことを証しし、モーセの律法と預言者たちの書からイエスについて彼らを説得しようと、朝から晩まで説明を続けた。
24,ある人たちは彼が語ることを受け入れたが、ほかの人たちは信じようとしなかった。
25,互いの意見が一致しないまま彼らが帰ろうとしたので、パウロは一言、次のように言った。「まさしく聖霊が、預言者イザヤを通して、あなたがたの先祖に語られたとおりです。
26,『この民のところに行って告げよ。あなたがたは聞くには聞くが、決して悟ることはない。見るには見るが、決して知ることはない。
27,この民の心は鈍くなり、耳は遠くなり、目は閉じているからである。彼らがその目で見ることも、耳で聞くことも、心で悟ることも、立ち返ることもないように。そして、わたしが癒やすこともないように。』
28,ですから、承知しておいてください。神のこの救いは、異邦人に送られました。彼らが聞き従うことになります。」
30,パウロは、まる二年間、自費で借りた家に住み、訪ねて来る人たちをみな迎えて、
31,少しもはばかることなく、また妨げられることもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。

2018年7月4日水曜日

使徒28:1-15

使徒の働き
28章
1,こうして助かってから、私たちはこの島がマルタと呼ばれていることを知った。
2,島の人々は私たちに非常に親切にしてくれた。雨が降り出していて寒かったので、彼らは火をたいて私たちみなを迎えてくれた。
3,パウロが枯れ枝を一抱え集めて火にくべると、熱気のために一匹のまむしが這い出して来て、彼の手にかみついた。
4,島の人々は、この生き物がパウロの手にぶら下がっているのを見て、言い合った。「この人はきっと人殺しだ。海からは救われたが、正義の女神はこの人を生かしておかないのだ。」
5,しかし、パウロはその生き物を火の中に振り落として、何の害も受けなかった。
6,人々は、彼が今にも腫れ上がってくるか、あるいは急に倒れて死ぬだろうと待っていた。しかし、いくら待っても彼に何も変わった様子が見えないので、考えを変えて、「この人は神様だ」と言い出した。
7,さて、その場所の近くに、島の長官でプブリウスという名の人の所有地があった。彼は私たちを歓迎して、三日間親切にもてなしてくれた。
8,たまたまプブリウスの父が、発熱と下痢で苦しんで床についていた。パウロはその人のところに行って、彼に手を置いて祈り、癒やした。
9,このことがあってから、島にいたほかの病人たちもやって来て、癒やしを受けた。
10,また人々は私たちに深い尊敬を表し、私たちが船出するときには、必要な物を用意してくれた。
11,三か月後、私たちは、この島で冬を越していたアレクサンドリアの船で出発した。その船首にはディオスクロイの飾りが付いていた。
12,私たちはシラクサに寄港して、三日間そこに滞在し、
13,そこから錨を上げて、レギオンに達した。一日たつと南風が吹き始めたので、二日目にはプテオリに入港した。
14,その町で、私たちは兄弟たちを見つけ、勧められるままに彼らのところに七日間滞在した。こうして、私たちはローマにやって来た。
15,ローマからは、私たちのことを聞いた兄弟たちが、アピイ・フォルムとトレス・タベルネまで、私たちを迎えに来てくれた。パウロは彼らに会って、神に感謝し、勇気づけられた。

2018年7月3日火曜日

使徒27:26-44

使徒の働き
27章
26,私たちは必ず、どこかの島に打ち上げられます。」
27,十四日目の夜になり、私たちはアドリア海を漂っていた。真夜中ごろ、水夫たちはどこかの陸地に近づいているのではないかと思った。
28,彼らが水の深さを測ってみると、二十オルギヤであることが分かった。少し進んでもう一度測ると、十五オルギヤであった。
29,どこかで暗礁に乗り上げるのではないかと恐れて、人々は船尾から錨を四つ投げ降ろし、夜が明けるのを待ちわびた。
30,ところが、水夫たちが船から逃げ出そうとして、船首から錨を降ろすように見せかけ、小舟を海に降ろしていたので、
31,パウロは百人隊長や兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたは助かりません」と言った。
32,そこで兵士たちは小舟の綱を切って、それが流れるままにした。
33,夜が明けかけたころ、パウロは一同に食事をするように勧めて、こう言った。「今日で十四日、あなたがたはひたすら待ち続け、何も口に入れず、食べることなく過ごしてきました。
34,ですから、食事をするよう勧めます。これで、あなたがたは助かります。頭から髪の毛一本失われることはありません。」
35,こう言って、彼はパンを取り、一同の前で神に感謝の祈りをささげてから、それを裂いて食べ始めた。
36,それで皆も元気づけられ、食事をした。
37,船にいた私たちは、合わせて二百七十六人であった。
38,十分に食べた後、人々は麦を海に投げ捨てて、船を軽くした。
39,夜が明けたとき、どこの陸地かよく分からなかったが、砂浜のある入江が目に留まったので、できればそこに船を乗り入れようということになった。
40,錨を切って海に捨て、同時に舵の綱を解き、吹く風に船首の帆を上げて、砂浜に向かって進んで行った。
41,ところが、二つの潮流に挟まれた浅瀬に乗り上げて、船を座礁させてしまった。船首はめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波によって壊れ始めた。
42,兵士たちは、囚人たちがだれも泳いで逃げないように、殺してしまおうと図った。
43,しかし、百人隊長はパウロを助けたいと思い、彼らの計画を制止して、泳げる者たちがまず海に飛び込んで陸に上がり、
44,残りの者たちは、板切れや、船にある何かにつかまって行くように命じた。こうして、全員が無事に陸に上がった。

2018年7月2日月曜日

使徒27:1-25

使徒の働き
27章
1,さて、私たちが船でイタリアへ行くことが決まったとき、パウロとほかの数人の囚人は、親衛隊のユリウスという百人隊長に引き渡された。
2,私たちは、アジアの沿岸の各地に寄港して行く、アドラミティオの船に乗り込んで出発した。テサロニケのマケドニア人アリスタルコも同行した。
3,翌日、私たちはシドンに入港した。ユリウスはパウロを親切に扱い、友人たちのところへ行って、もてなしを受けることを許した。
4,私たちはそこから船出し、向かい風だったので、キプロスの島陰を航行した。
5,そしてキリキアとパンフィリアの沖を航行して、リキアのミラに入港した。
6,ここで、百人隊長はイタリアへ行くアレクサンドリアの船を見つけて、それに私たちを乗り込ませた。
7,何日もの間、船の進みは遅く、やっとのことでクニドの沖まで来たが、風のせいでそれ以上は進めず、サルモネ沖のクレタの島陰を航行した。
8,そしてその岸に沿って進みながら、やっとのことで、ラサヤの町に近い「良い港」と呼ばれる場所に着いた。
9,かなりの時が経過し、断食の日もすでに過ぎていたため、もはや航海は危険であった。そこでパウロは人々に警告して、
10,「皆さん。私の見るところでは、この航海は積荷や船体だけでなく、私たちのいのちにも危害と大きな損失をもたらすでしょう」と言った。
11,しかし百人隊長は、パウロの言うことよりも、船長や船主のほうを信用した。
12,また、この港は冬を過ごすのに適していなかったので、多数の者たちの意見により、ここから船出し、できれば、南西と北西に面しているクレタの港フェニクスに行き、そこで冬を過ごそうということになった。
13,さて、穏やかな南風が吹いて来たので、人々は思いどおりになったと考え、錨を上げて、クレタの海岸に沿って航行した。
14,ところが、間もなくユーラクロンという暴風が陸から吹き降ろして来た。
15,船はそれに巻き込まれて、風に逆らって進むことができず、私たちは流されるままとなった。
16,しかし、カウダと呼ばれる小島の陰に入ったので、どうにかしっかりと小舟を引き寄せることができた。
17,そして小舟を船に引き上げ、船を補強するために綱で船体を巻いた。また、シルティスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて、船具を降ろし、流されるに任せた。
18,私たちは暴風に激しく翻弄されていたので、翌日、人々は積荷を捨て始め、
19,三日目には、自分たちの手で船具を投げ捨てた。
20,太陽も星も見えない日が何日も続き、暴風が激しく吹き荒れたので、私たちが助かる望みも今や完全に絶たれようとしていた。
21,長い間、だれも食べていなかったが、そのときパウロは彼らの中に立って言った。「皆さん。あなたがたが私の言うことを聞き入れて、クレタから船出しないでいたら、こんな危害や損失を被らなくてすんだのです。
22,しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う人は一人もありません。失われるのは船だけです。
23,昨夜、私の主で、私が仕えている神の御使いが私のそばに立って、
24,こう言ったのです。『恐れることはありません、パウロよ。あなたは必ずカエサルの前に立ちます。見なさい。神は同船している人たちを、みなあなたに与えておられます。』
25,ですから、皆さん、元気を出しなさい。私は神を信じています。私に語られたことは、そのとおりになるのです。

2018年7月1日日曜日

使徒26

使徒の働き
26章
1,アグリッパはパウロに向かって、「自分のことを話してよろしい」と言った。そこでパウロは、手を差し出して弁明し始めた。
2,「アグリッパ王よ。私がユダヤ人たちに訴えられているすべてのことについて、今日、王様の前で弁明できることを幸いに思います。
3,特に、王様はユダヤ人の慣習や問題に精通しておられます。ですから、どうか忍耐をもって、私の申し上げることをお聞きくださるよう、お願いいたします。
4,さて、初めから同胞の間で、またエルサレムで過ごしてきた、私の若いころからの生き方は、すべてのユダヤ人が知っています。
5,彼らは以前から私を知っているので、証言しようと思えばできますが、私は、私たちの宗教の中で最も厳格な派にしたがって、パリサイ人として生活してきました。
6,そして今、神が私たちの父祖たちに与えられた約束に望みを抱いているために、私はここに立って、さばかれているのです。
7,私たちの十二部族は、夜も昼も熱心に神に仕えながら、その約束のものを得たいと望んでいます。王よ。私はこの望みを抱いているために、ユダヤ人から訴えられているのです。
8,神が死者をよみがえらせるということを、あなたがたは、なぜ信じがたいこととお考えになるのでしょうか。
9,実は私自身も、ナザレ人イエスの名に対して、徹底して反対すべきであると考えていました。
10,そして、それをエルサレムで実行しました。祭司長たちから権限を受けた私は、多くの聖徒たちを牢に閉じ込め、彼らが殺されるときには賛成の票を投じました。
11,そして、すべての会堂で、何度も彼らに罰を科し、御名を汚すことばを無理やり言わせ、彼らに対する激しい怒りに燃えて、ついには国外の町々にまで彼らを迫害して行きました。
12,このような次第で、私は祭司長たちから権限と委任を受けてダマスコへ向かいましたが、
13,その途中のこと、王様、真昼に私は天からの光を見ました。それは太陽よりも明るく輝いて、私と私に同行していた者たちの周りを照らしました。
14,私たちはみな地に倒れましたが、そのとき私は、ヘブル語で自分に語りかける声を聞きました。『サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか。とげの付いた棒を蹴るのは、あなたには痛い。』
15,私が『主よ、あなたはどなたですか』と言うと、主はこう言われました。『わたしは、あなたが迫害しているイエスである。
16,起き上がって自分の足で立ちなさい。わたしがあなたに現れたのは、あなたがわたしを見たことや、わたしがあなたに示そうとしていることについて、あなたを奉仕者、また証人に任命するためである。
17,わたしは、あなたをこの民と異邦人の中から救い出し、彼らのところに遣わす。
18,それは彼らの目を開いて、闇から光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、こうしてわたしを信じる信仰によって、彼らが罪の赦しを得て、聖なるものとされた人々とともに相続にあずかるためである。』
19,こういうわけで、アグリッパ王よ、私は天からの幻に背かず、
20,ダマスコにいる人々をはじめエルサレムにいる人々に、またユダヤ地方全体に、さらに異邦人にまで、悔い改めて神に立ち返り、悔い改めにふさわしい行いをするようにと宣べ伝えてきました。
21,そのために、ユダヤ人たちは私を宮の中で捕らえ、殺そうとしたのです。
22,このようにして、私は今日に至るまで神の助けを受けながら、堅く立って、小さい者にも大きい者にも証しをしています。そして、話してきたことは、預言者たちやモーセが後に起こるはずだと語ったことにほかなりません。
23,すなわち、キリストが苦しみを受けること、また、死者の中から最初に復活し、この民にも異邦人にも光を宣べ伝えることになると話したのです。」
24,パウロがこのように弁明していると、フェストゥスが大声で言った。「パウロよ、おまえは頭がおかしくなっている。博学がおまえを狂わせている。」
25,パウロは言った。「フェストゥス閣下、私は頭がおかしくはありません。私は、真実で理にかなったことばを話しています。
26,王様はこれらのことをよくご存じですので、その王様に対して私は率直に申し上げているのです。このことは片隅で起こった出来事ではありませんから、そのうちの一つでも、王様がお気づきにならなかったことはない、と確信しています。
27,アグリッパ王よ、王様は預言者たちを信じておられますか。信じておられることと思います。」
28,するとアグリッパはパウロに、「おまえは、わずかな時間で私を説き伏せて、キリスト者にしようとしている」と言った。
29,しかし、パウロはこう答えた。「わずかな時間であろうと長い時間であろうと、私が神に願っているのは、あなたばかりでなく今日私の話を聞いておられる方々が、この鎖は別として、みな私のようになってくださることです。」
30,王と総督とベルニケ、および同席の人々は立ち上がった。
31,彼らは退場してから話し合った。「あの人は、死や投獄に値することは何もしていない。」
32,また、アグリッパはフェストゥスに、「あの人は、もしカエサルに上訴していなかったら、釈放してもらえたであろうに」と言った。

復活

ルカ 24:1~8 1 週の初めの日の明け方早く、彼女たちは準備しておいた香料を持って墓に来た。 2 見ると、石が墓からわきに転がされていた。 3 そこで中に入ると、主イエスのからだは見当たらなかった。 4 そのため途方に暮れていると、見よ、まばゆいばかりの衣を着た人が二人《ふた...